「今錦」米澤酒造さんへ訪問、色々な話と美しい景色
先日のお休みに、このあと8月2日土曜日に「土と青」で開催される初の日本酒の会。「今錦の会」を踏まえ、長野県は南アルプス山脈のそびえる上伊那郡、米澤酒造さんへ訪問致しました。お休みの日だというのにも関わらず、蔵内や美山錦の育つ、
田んぼなど様々に案内くださいました。
間もなく、米澤酒造さんは蔵内の立て替え工事に入るそうで、
現在の蔵から新しく生まれ変わるそうで、現状の蔵はこれで見納めだそう。
明治時代の古い建物は、私には建具やら土壁やら汚れやらとても素敵に見えます。
ということで、写真をバシバシ撮る事にしました。(笑)
綺麗な仕込水が「ちろちろ」と流れ続ける部屋。
目が引くのはやはり酒米を蒸すおおきなおおきな釜!
型が童話の「ぶんぶくちゃがま」そのままのカタチで可愛いらしいっ!
おもしろいのは、、、
釜の下がこんな感じになっていること。今は熱を起こす機械で焚きますが、
昔は木材を燃やしていたのでしょう。
仕込タンク〜がずらーり。
毎度思うけど、こんな大きなセイロがずらっと並ぶとウキウキするんです。
私の母親はかつてタペストリーデザイン分野で作品を造っており、
作品はひとことで言うと、
「染めた様々な色の糸をグラデーションを計りながら織り機でせっせと織って一枚に仕上げていき、それを組み合わせて大きな作品をつくる」そんな事をしていました。
その過程で真っ白な糸を染める工程があるのですが、その時使っていたのがこのセイロの小さいもの(高さが60cmくらい)で、このセイロに塗料を入れ何色もの糸を染めるため何度も何度も奮闘していた母の姿をセイロを見ると思いだすのです。
しかもその何倍も大きい物がずらりと並んでいると、
「うわ〜。お母さんこれなら同時に何色も染まるよね〜。」なんて思うのです。
こちらがなかなか拝見出来ない麹室。(今はお休みなので特別に見せて頂きました)
こちらは何のことはない部屋に見えるかも知れませんが、
床、天井、壁の全てに籾殻が入っており、籾殻で出来た四角い部屋といった所でしょうか。部屋の温度を保つ為の工夫なんでしょうね。素晴らしい。
酒蔵には沢山の道具がありますが、様々な用途の道具が使いやすいように並べかけられ、こうして雑然と並んでる道具とその陰影はなんだかとても素敵です。
蔵から外へ出て、車で15分ほどの場所に今錦の田んぼがあります。
この景色!!!奥にはアルプス山脈、頂上にはまだ雪が残っています。
その下には、天竜川が悠々と流れ、目の前には歪な形の棚田が!!!
この田んぼに揺れているのは、今錦のたま子で使用される美山錦です。
たま子の文字通り、小さなおたまじゃくしと小指の第一関節くらいしかない、
子供のカエルがたーくさんおりました。可愛いカエルたち。
田植えの後にはここで景色を望みながら、今錦を楽しむそう。
最高ですよそれっ!
雄大な景色と夕暮れと日本酒。私もそれ味わいたいです(笑)
こちらは、もう一つの田んぼ。
山から流れる水は、ちょっとだけ冷たくて気持ちのよい温度。
太陽の光がご来光の如く注ぐ素晴らしい場所でした。
今錦のたま子のラベルには、たま子の下に「山・田・川」と描かれているのですが。なるほど。その通りの環境がありました。
家から片道3時間。もちろん帰って、晩酌はお土産の「今錦」を味わいました。
有り難うございました。